東京会場 平成25年3月25日(月)
大阪会場 平成25年3月23日(土)
日頃より社会科・公民科教育、大学入試対策、就職対策など様々な目的で時事問題をご指導されている教職員の皆様に向けて、ニュース検定をより効果的にご利用いただくためのセミナーを開催しました。全国からたくさんの方にお集まりいただき、ご好評いただきました。
ニュース検定をご指導の現場でどのように活用されているか、先生方よりご報告をいただきました。
東京会場では、仙台育英学園高等学校の秋葉寿太郎先生より、ニュース検定の授業としての展開と課題についてお話しいただきました。平成19年度より導入されている同校では、一部のコース内で学校設定科目としてニュース検定の授業を設けています。「時事問題への関心を高めること」「一般常識や知識を身につけること」を目的とし、AO入試や推薦入試・就職試験で扱う小論文および面接と関連づける形で授業を展開。公式テキストで重要語句やキーワードを確認するほか、過去問題やワークシートを使った実践演習も実施されています。平成22年度からは受講者の全員受検を開始。23年度には2・3年生の受講者全員が3級を受検されました。授業外で募集した受検希望者も合わせ、毎年多くの生徒様がニュース検定に取り組まれています。今後の課題として、授業外での自主学習の不足を挙げ、検定合格に向けた生徒たちのモチベーション向上と、頑張りを支える環境作りの必要性について熱弁していただきました。
宝仙学園中学・高等学校共学部理数インターの鴇田健先生は、早くから日常学習を習慣づけることの大切さについて、ニュース検定の活用事例と共にご報告頂きました。同校では、年4回全ての検定回において全校生徒を対象に告知し、実施くださっています。世界で活躍する人材を育てるという学校目標のもと、生徒が社会との接点を意識するきっかけとして新聞を重視。入試問題にも時事問題を多く取り入れ、学校案内や保護者説明会でも重要性を提示されています。更に新聞への意識を高めるため、ニュース検定を導入されました。定期考査や長期休暇の課題に、過去問題や月イチ時事サポートを利用。特に中学1年生へは受験時の勉強習慣を継続させたいとの思いから積極的に検定を告知。年間で学年の大半が自主的にご受検くださいました。学習の定着を図るために検定実施後の事後学習会を設けるほか、合格者対象の校内表彰を実施。「認められる」という体験が更なる知的好奇心を喚起させているとのご報告でした。
大阪会場では、大阪府立北摂つばさ高等学校の藤井伸二先生より、学習における「個人」と「集団」というテーマで、ニュース検定の活用状況についてお話しいただきました。同校では、必修の政治経済や時事問題の選択授業の副教材としてニュース検定公式テキストを使用するほか、定期テストの素材として月イチ時事サポートのニュースミニ解説を活用くださっています。しかし、2010年の導入時には、生徒の多数がニュース検定受検に消極的な集団の中で、なかなか受検希望者が集まりませんでした。そこで、過去問題を使用して模擬試験を行い、合格への見通しを示すと、自信を持って上位級に挑戦していくようになりました。能動的な個人が学校集団全体のモチベーション向上に寄与し、2012年度2月検定では3級受検者が29名に増え、準2級・2級に挑戦する生徒も出てきました。今後もニュース検定を受検する生徒ひとりひとりを積極的にサポートしていきたいと抱負を語られました。
広島商船高等専門学校の澤田大吾先生は、高等専門学校における社会科教育の現状と、ニュース検定の活用事例についてご報告いただきました。同校では、現役の新聞記者から現場の話を聞く機会をつくるなど、授業外でも積極的に社会科教育に取り組まれています。しかし、生徒が専攻する理系科目に勉強時間を割くため、社会科目の自主学習が不足する懸念がありました。専門知識だけでなく、一般教養も身につけて社会に出てほしいとの思いから、ニュース検定を導入。1年生の政治経済の授業では公式テキストを副教材として採用。月イチ時事サポートのミニテストやキーワードテストで実践学習を行うほか、長期休暇の宿題として新聞記事の要約を課しています。2012年度11月検定では、学年145名中113名が3級に合格。実施後のアンケートでは、社会科の自主学習時間が増え、生徒が積極的に時事問題を学ぶようになったことを実感したとのお話をいただきました。
以上、「平成25年度N検スタートセミナー」は、全国よりたくさんの先生方にご参加いただき、ご好評のうちに終了しました。