公務員試験・行政書士試験とN検

公務員試験

一次試験(筆記試験)・二次試験(面接試験)ともに、時事問題対策が必須です

 各公務員試験では、ほとんどの試験種別で毎年時事問題が出題されています。国や自治体の職員には、現在の社会状況と対応する施策、問題点などについて理解していることが求められるからです。

 ニュース検定では、公務員試験の一次試験(筆記試験)で実際に出題された問題と類似する問題を出題しています。

●日本の労働法制に関する類似問題

2018年に「働き方改革関連法」が成立し、労働基準法などが改正されることになった。この改正の内容を中心とした日本の労働法制に関する次の記述のうち妥当なのはどれか。

  • 1 法定労働時間は1日7時間、1週35時間が原則である。使用者が労働者に時間外労働をさせるには、労使協定を締結する必要はなく、使用者が作成する就業規則にその旨の規定を設ければよい。
  • 2 時間外労働について、1か月単位や1年単位での上限を法律で規制することが定められた。使用者が上限規制に違反して労働者を働かせた場合の罰則も設けられている。
  • 3 年次有給休暇の取得率の低さが問題であったため、従来は使用者が年次有給休暇の取得時季を指定する仕組みであったのを、労働者が自ら希望する時季を申し出て年次有給休暇を取得する仕組みに変更された。
  • 4 いわゆる高度プロフェッショナル制度が創設された。これは、一定以上の高い年収を有する労働者を、その従事する業務にかかわらず、一律に高度専門職に就いているとみなし、労働時間などの規制を適用しない制度である。
  • 5 同一労働同一賃金の実現に向けて、パートタイム労働者や有期雇用労働者について正規雇用労働者との不合理な待遇差をなくすための対策が検討されたが、経済界からの反対が大きく、今回の改正では見送られた。

令和元年度 地方公務員上級「教養試験」 社会より
出典:千葉県HP・職員採用ページ
https://www.pref.chiba.lg.jp/jinji/ninyou/documents/1901-j-kyo.pdf

働き方改革関連法(2019年4月施行)について、正しい記述を次から一つ選びなさい。

  • ① 「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入は、長時間労働を助長するなどとして強い批判を浴びたため見送られた。
  • ② 関連法に盛り込まれた「勤務間インターバル制度」とは、転職者が再就職するまでの間、福利厚生のために長期休暇を取得させる制度のことだ。
  • ③ これまで青天井だった残業時間に対する上限規制を設けたが、企業に対する罰則の導入は見送られた。
  • ④ 正社員との待遇差の理由を、非正規労働者の求めに応じて説明する義務を、企業側に課した。

【正解】④ 

【解説】①高プロは関連法に盛り込まれ、2019年4月に導入されました。「労働時間」ではなく「成果」で労働が評価されるため、長時間労働を心配する声があります。②終業から次の始業まで一定の休息・睡眠時間を確保する制度です。③罰則が導入されました。

第45回(2019年6月)検定 2級問題

 二次試験(面接試験や集団討論)でも、時事問題について意見を求められる質問などが増えています。自治体によっては、面接カードに事前に「最近気になるニュース」を書かせて、面接本番で聞くケースもあるようです。その際に重要になってくるのは、「時事問題を語れるかどうか」です。

 一次試験(筆記試験)に合格すれば、二次試験(面接試験)はあまり難しくないといわれたのは、かつての話。現在では、公務員採用試験において、二次試験が非常に重要になってきています。特に、地方自治体では、一次試験と二次試験を切り分けて考える自治体も多く、職種によっては、一次試験よりも二次試験の倍率のほうが高いケースも見られます。常日頃から、『時事問題に関心を持ち、その話題について考えている』という準備が必要です。

 実務では、志望する自治体が抱える問題や、市民一人ひとりが考える課題を、最新の社会動向と関連付けて考え、説明し、その解決方法を提示していくことが求められます。ニュース検定を通して社会事象やニュースを多角的に捉える訓練を行うことで、一問一答形式以外での時事問題の問われ方へ、柔軟に対応できる力が養われます。

行政書士試験

「一般知識」科目で時事問題は頻出 

 行政書士試験のメインは「法令」科目ですが、「一般知識」科目は4割得点が“足切り”ラインとなっており、これを逃すと合格できません。なかでも「政治・経済・社会」の分野では、時事用語の丸暗記では対処できない最新の時事問題が頻出で、ニュースの歴史的・社会的背景を理解する十分な対策が必須です。

 ニュース検定では、行政書士試験の「一般知識」科目で実際に出題された問題と類似する問題を出題しています。

●女性の政治参加に関する類似問題

女性の政治参加に関する次の文章の【 ア 】~【 オ 】に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

 日本において女性の国政参加が認められたのは、【 ア 】である。その最初の衆議院議員総選挙の結果、39 人の女性議員が誕生した。それから時を経て、2017 年末段階での衆議院議員の女性比率は【 イ 】である。列国議会同盟(IPU)の資料によれば、2017 年末の時点では、世界193 か国のうち、下院または一院制の議会における女性議員の比率の多い順では、日本はかなり下の方に位置している。

 また、国政の行政府の長(首相など)について見ると、これまで、イギリス、ドイツ、【 ウ 】、インドなどで女性の行政府の長が誕生している。しかし、日本では、女性の知事・市区町村長は誕生してきたが、女性の首相は誕生していない。

 2018 年には、「政治分野における【 エ 】の推進に関する法律」が公布・施行され、衆議院議員、参議院議員及び【 オ 】の議会の議員の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等になることを目指すことなどを基本原則とし、国・地方公共団体の責務や、政党等が所属する男女のそれぞれの公職の候補者の数について目標を定めるなど自主的に取り組むように努めることなどが、定められた。

 
1 第二次世界大戦後 約3割 アメリカ 男女機会均等 都道府県
2 第二次世界大戦後 約1割 タイ 男女共同参画 地方公共団体
3 大正デモクラシー期 約3割 ロシア 男女共同参画 都道府県
4 第二次世界大戦後 約1% 中国 女性活躍 地方公共団体
5 大正デモクラシー期 約1割 北朝鮮 男女機会均等 都道府県

令和元年度 行政書士試験「一般知識等」より
出典:一般社団法人行政書士 試験センターHP
https://gyosei-shiken.or.jp/doc/exam/index.html
※掲載にあたり、体裁を一部修正いたしました。

「政治分野における男女共同参画推進法」が2018年、成立し、施行されました。この法律や、日本での女性の政治参画について、正しい記述を次から一つ選びなさい。

  • ① この法律の成立により、日本では将来、選挙の当選者数が「男女同数」となることが決まった。
  • ② この法律が対象としているのは国政選挙だけで、地方選挙は対象外だ。
  • ③ 女性議員の割合は現在、参議院のほうが衆議院よりも高い。
  • ④ 普通選挙法の成立(1925 年)後初めての衆議院議員選挙(衆院選)の結果、日本初の女性の衆議院議員が誕生した。

【正解】③ 
【解説】参議院の約20%に対し、衆議院は約10%です(2019年末時点)。①この法律は、選挙の候補者数をできる限り男女均等にするよう、政党などに自主的な努力を求めるにとどまっており、均等でなくても罰則はありません。②地方選挙も対象です。④正しくは「戦後初の衆院選(1946年)の結果」です。前年の法改正まで、女性の参政権は認められていませんでした。

2020年度版ニュース検定公式問題集
準2級 政治分野「政治参加と選挙制度」より