2024年5月19日(日)
2024年度第1回ニュース時事能力検定試験(N検)対策の「N検直前合格必勝講座」が5月19日、大阪市北区梅田の毎日新聞大阪本社ビルの毎日文化センターで開かれました。
当講座を担当する中島章雄講師は、N検1級合格者で、毎日文化センター元社長。最初に講座前日の5月18日付毎日新聞朝刊を取り上げて、配布した記事コピーを参照しながら、新聞記事とN検出題問題がどのように結びつくのかを具体的に解説しました。
1面の「離婚後の『共同親権』成立 父母で協議、選択 改正民法」の記事で、日本の家族法制が1898年施行の明治民法から大きく変化している流れを説明。明治民法は、一家の家長が強大な権限を持つ「家」制度を支え、子どもは「父の親権に服す」と規定、父親が子どもを支配するものとされていました。しかし、個人の尊重や男女平等を掲げた日本国憲法制定により1947年、「家」制度は廃止。親権は「父母婚姻中は共同親権」で「離婚後は父母いずれかが親権を持つ」と改正されました。その後70年余が経過し、女性の社会進出が進み、94年、子どもは保護されるだけではなく権利を持つ立場であることを約束した「子どもの権利条約」を日本が批准。家族法制の見直しが進む中で、離婚後も子どもの利益を守るために「共同親権」を新たなルールとしました。これまでの民法改正では、正式な結婚をしていない事実婚で生まれた非嫡出子の相続分は嫡出子の半分とした規定を撤廃したり、離婚後300日以内に生まれた子は分かれた前夫の子とみなす「嫡出推定」規定が見直されるなどしたりしてきましたが、今回の改正はこうした流れの延長戦上にある、と解説していました。
2面の「『育成就労』衆院可決 未熟練外国人受け入れ」の記事では、公式テキスト「⑱共生社会への道のりは」に関連し、解説。現在ある「技能実習制度」を廃止し、これに代わる新たな制度「育成就労」を創設して未熟練外国人を受け入れる制度への転換を図ろうという国の新施策であることを、専門家が指摘する新制度の問題点などを含めて説明。
5面の社説「熱中症の特別警戒 災害と捉え命守る行動を」は、公式テキスト「㉒災害と日本」に関連する記事。これまで発令されてきた「熱中症警戒アラート」以上に厳しく、前例のない暑さが予想される場合、環境省が都道府県単位で発表することになった「熱中症特別警戒アラート」が、今年4月24日から公表されることとなり、「発令された場合には『災害と捉え命守る行動を』と訴えている社説です」などと解説していました。
8面(経済面)の「新幹線で運んだ特産品フェア 北海道―九州 貫通を記念」の記事は、JRグループ6社が新幹線で荷物を輸送するサービスが北海道から九州までつながったことを記念し、新幹線で運んだ約60の特産品のフェアを東京駅で開いたことを伝えるもので、講師が「この記事にはどのような社会的な問題が背景にあるのか分かりますか?」と問いかけていました。実は、これが今話題の「物流の2024年問題」(公式テキスト51ページ「⑪日本産業のいま」、同67ページ「⑮変化する日本の働き方」参照)であることを詳細に説明。「働き方改革でトラック運転手の残業時間が大幅に規制され、運転手不足になることから、新幹線を物流に使おうというアイデアです。輸送手段をトラックから新幹線に替えることで運転手不足緩和とともに、大量のCO2を排出するトラックから排出量が少ない新幹線を利用することで脱炭素にもなります。競合する同業者が協力して配送トラックを運行することなどに広がっています」という講師の説明に、受講生からは「この記事の背景はそういうことだったのですね」との声が漏れていました。なお、この問題は公式問題集57ページ問1で出題されていて、次の厳選問題解説で取り上げられました。
続いて、24年度の公式問題集2級編から、講師が厳選した15問を講座終了時間まで解説。問題を選定した基準については、23年度公式問題集では取り上げられず、24年度公式問題集に初めて掲載された問題の中から重要度の高いと講師が判断した問題としました。上記の公式問題集⑪日本産業のいま57ページ問1の「物流の2024年問題」関連など、学習の参考にしてください。
政治 | ④日本外交の針路は 49ページ 問1 ⑤大転換の防衛政策 50ページ 問1 |
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経済 | ⑨混迷する世界経済 55ページ 問3 ⑪日本産業のいま 57ページ 問1 ⑫脱炭素社会への道のり 58ページ 問3 その他のテーマ 59ページ 問1 |
暮らし | ⑭社会保障のこれから 61ページ 問1 ⑮変化する日本の働き方 62ページ 問1 ⑯豊かな消費を守る 63ページ 問1 |
社会・環境 | ⑱共生社会への道のりは 66ページ 問1 ⑳情報社会に生きる 68ページ 問2 ㉓地球環境を守るために 71ページ 問2 |
国際 | ㉕核兵器と向き合う世界 74ページ 問1 ㉗鈍る中国 台頭する国々 76ページ 問5 その他のテーマ 77ページ 問1 |
講座では、上記15問の半分程度を解説して、「残りの問題の疑問点や、各自の学習の中でN検受検に関連する疑問があればメールでやり取りして解決していきましょう」と説明。希望する受講生には、本番の受検までの間、講師から課題プリントと正解と解説などをメールで送り、疑問・質問をメールでやり取りするとのことでした。
次回の二ュース検定必勝講座は、24年10月20日(日)に開催予定です。問い合わせは同文化センター(06・6346・8700)まで。
お申し込み方法など検定に関する詳細はこちらから。
中島講師はYouTubeでN検の対策動画も公開しています。ぜひご活用ください。
Youtube始めました!! ニュース時事能力検定試験(N検)【ナカショーのN検対策講座】です!
こちらからご覧いただけます。