2023年10月8日(日)
2023年度第2回ニュース時事能力検定試験(N検)対策の「N検直前合格必勝講座」が10月8日、大阪市北区梅田の毎日新聞大阪本社ビルの毎日文化センターで開かれました。
毎日文化センター元社長でN検1級合格者の中島章雄講師は、1級受検者を対象に、「これまで6年間の公式テキスト、問題集を学習し、準2級以上の各回の検定問題を点検してきましたが、1級試験全45問のうち、記述式5問の大半は、23年版N検公式問題集(1・2・準2級対応)の記述式問題(86~93p)の中から出題されます」など、検定問題の冊子の実物を示しながら実際の検定試験での問題の解き方、効率的に解き点数をアップするために回答を始める順番などを事細かく指導。受講生の質問にも丁寧に回答していました。
次に、直近の毎日新聞の記事コピー配布し、それを基に以下のように解説しました。
10月6日付第3社会面の「CO₂出ぬ火力『不当広告』」の記事は、発電会社の広告に対して、環境NGOが日本広告審査機構(JARO)に広告の中止を申し立てたことが内容です。中島講師は「この記事は、テキストの『社会・環境』分野の【23 地球環境を守るために】と、『暮らし』分野の【16 どう守る 消費者の権利】に関係します」とし、「地球の環境については、CO₂など温室効果ガス排出削減が求められる中、石油など化石燃料を使った火力発電を続ける日本に国際的な非難があります。問題の広告では、燃焼時にCO₂が出ないアンモニアを使う計画をPRしていますが、環境NGO側は、アンモニア製造や輸送時に大量のCO₂が出ることを説明しておらず消費者に誤解を与える、としています」と、内容を説明。背景には、日本政府が、「30年度に温室効果ガスを13年度から46%削減」を国際公約としており、広告では「CO₂が出ないかのような誤解を与え」ており、「これはテキスト【16 どう守る 消費者の権利】に記載がある景品表示法違反(優良誤認)にあたる可能性があります」と解説。「【23 地球環境を守るために】と合わせて私たちに直接関係している問題で、正確な知識が求められていることを学んでいきましょう」と話していました。
9月28日付1面の「救済対象外 水俣病認定 国などに賠償命令」の記事では、大阪地裁が水俣病の未認定患者に対する救済は不十分として、全原告を水俣病と認定、賠償金支払いを国などに命じました。四大公害病の一つ、水俣病は日本の公害の原点で、たくさんの方々が、被害者となりながら、補償などが受けられない現実が今も続いていることを改めて学習しました。
さらに、N検事務局が作成した「ミニテスト」発展(準2級以上対象)編の5~9月号(各5問)が配布され、最新のテーマに関する問題を中心に講座が進められました。5月号からは、大阪府・市が計画する「カジノを含む統合型リゾート(IR:カジノを中核に国際会議場やホテル、劇場、商業施設などを一体化したリゾート)」の整備改革を国が初めて認定したことに関する出題をピックアップ。カジノ解禁を柱とするIRを巡る賛否両論、光と影について解説、学習しました。
6月号からは、5月に広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)についての問題が取り上げられました。核軍縮に特化したG7首脳声明「広島ビジョン」に関すること設問で、核大国で国連常任理事国のロシアがウクライナに侵攻し、核兵器による威嚇を繰り返す中、核軍縮が進むのかなどについて解説。中島講師からは、「広島が選挙区の岸田文雄首相にとっては、力が入ったサミットになり、会議自体は成功しました。しかし、広島ビジョンの文書には『核廃絶』」という文言はなく、核兵器は『防衛目的』のための役割があり、侵略抑止、戦争・威圧の防止のために存在している、と記されていて、核兵器の必要性を認めている文面とも読めることから、落胆する被爆者らもいました」と指摘。さらに中島講師は、テキスト121pの「米露間の核軍縮関連条約」の表の最後にある「新戦略兵器削減条約(新START)」について、21年2月の有効期限が迫っていた同条約を21年1月、米露両国が26年まで5年間延長することで合意したこと、に言及。さらに、ウクライナ侵攻1年後の23年2月、プーチン露大統領が新STARTの条約の履行停止を一方的に表明。これに対し、米政府は対抗措置として戦略核兵器情報提供を米露で実施したいたことを停止。現在、同条約にそって両国がお互いの核兵器の状態についての相互監視ができないことをことになっていることを指摘し、「核の現状」の懸念・問題点を話しました。
7月号では、沖縄県の在日米軍基地問題を取り上げました。日米安全保障条約に基づく在日米軍基地は、全国に76カ所ありうち沖縄に31カ所あります(22年3月末現在)。沖縄県は日本の国土の0.6%しかなく、ここに在日米軍基地の70.3%が集中しています。1959年には38.2%でしたが、72年の日本復帰時点で58.7%となり、復帰51年の間にさらに上昇していて、現状になっていることを紹介していました。
残りの問題については、詳しく解説した正答と解説と後日にメールで送信し、各自で学習して、疑問があればメールでやり取りして解決していきましょう、と説明。また、希望する受講生には、本番の受検までの間、講師から課題プリントと正解と解説などをメールで送り、疑問・質問をメールでやり取りすることも説明されました。
次回の二ュース検定必勝講座は、23年12月17日(日)に当毎日文化センターで開催予定<申込受付開始は23年11月13日(月)>です。問い合わせは同文化センター(06・6346・8700)まで。
2024年1月実施予定の23年度第3回ニュース時事能力検定試験(通算第63回N検)は、マークシート方式では実施されません。インターネット経由で受検するIBT試験のみで実施されますのでご注意ください。このため、次回の直前講座では、受検対策と同時に、ニュース検定そのものへの取組の仕方なども指導していく方針です。ご期待ください。
お申し込み方法など検定に関する詳細はこちらから。
中島講師はYouTubeでN検の対策動画も公開しています。ぜひご活用ください。こちらからご覧いただけます。