大学・短大、専門学校 活用事例

 本学部では、学生は様々な協働学習を通して語学をツールとして活かしながら、多文化社会、グローバル化社会について学び、「グローバルリテラシー」を身につけます。そのため、学生は日頃から社会問題に関心をもっておく必要があります。

 そこで、1年のゼミからN検の模擬問題などを活用し、社会へ関心を向ける習慣をつけさせ、2年では「時事問題」や「現代社会論」という講義授業を設け、新聞記事などの資料を活用しながら、社会のできごとを多様な視点から考察しています。N検を受検することで、自身の理解を確認し、到達度を測ることができるため、積極的に受検する学生が増えています。

 専門課程で学んだ経済学や経営学を実社会で活かすためには、専門知識と実社会をつなぐ幅広い教養と、それを人に伝えるコミュニケーション能力が必要です。本学部では、そうした社会人基礎力を養成するための授業を必修科目として1年次~4年次に配置していますが、この授業の中にN検を取り入れ、全学生に1度は検定試験を受けさせることにしています。また、上級編として、1級や2級の受検をサポートする授業も開設しており、多数の学生が任意で受講しています。

 N検で学ぶ知識は分野を問わずあらゆる学問を支える基礎力となります。学生には、受検を通じて身に付けたことを活かし、幅広い視野をもって活躍してほしいと願っています。

 本校では年々留学生の在籍数が増えています。日本で就職し、生活していくためには、日本の政治や文化・一般教養を知ることは必須です。授業ではN検テキストも活用し、年間を通して一般教養や時事に関する学習を行い、その集大成として、履歴書にも書けるN検3級にチャレンジすることを勧めています。高得点で合格する学生もおり、効果を感じています。

 また、多くの学生が「全国通訳案内士」の資格取得を目指していますが、「一般常識」分野の対策に、N検3級レベルのテキストや問題が適していると感じます。資格取得や就職時の面接・書類審査対策として、またその先日本での生活で困ることのないよう、学生がN検で力をつけてくれることを期待しています。

 本学科では、1年生にN検3級、3年生にN検2級を受検させています。本学科は2年次の学生全員が約5か月間アメリカにあるボストン校に留学をすることもあり、国内外の時事問題に興味を持たせるため、また、社会人基礎力養成の目的としても活用しています。ここ数年、ボストンでの留学を終え、ヨーロッパやアジアで認定留学を継続する学生も増えているので、国内外の出来事や政治経済についての知識をつけ、関心を高めておくのは、必須と考えています。

 更に、1年生は「キャリア基礎論」、3年生は「キャリア実践」という授業で、キャリアデザインを学ぶとともに、就職の実践講座を行っています。さまざまな外部の講師の方にお越しいただきますが、毎日新聞社の方にも、N検の勉強の仕方や講師の方の就職体験などをお話しいただいています。

 本学部政治学科が社会における諸課題の発見と解決に向けた能力の育成を目指していることからも明らかなように、学生には、国内外で「現在」何が起こっているのかを理解することが求められます。そのため、初年次教育の一環として開設された「基礎講義」において、この「『現在』を理解する力」を身につける際の案内役として、N検を活用しています。同講義の目的は、政治学科で学ぶに当たって必須となる、世界および日本の現代史の基礎知識を修得することにあります。ここでの「修得」は、単に時系列的に歴史的事実を覚えるといったことを意味するわけではありません。N検で扱っている「現在」の問題を出発点として、授業で学ぶ現代史の各テーマに対する興味関心を高めるとともに、現代史で学んだ知見を動員する形で、「現在」の問題をより深く多面的に探求していくという、プラスの相乗作用を生み出すことが期待されているのです。

 本学部では、初年次教育の一環として、1年生の初年次ゼミでN検の公式教材と「理解力アップシート」を利用した学習を行っています。前期は、毎回冒頭10分程度の時間で学生に「理解力アップシート」を自習してもらいます。大学生として、より専門的な学びを行っていく上で必要となる技能を身につけるとともに、ニュースを読み解くための基礎的な知識をあわせて獲得することを狙いとしています。

 また、後期に学内でN検を実施し、1年生全員に受検するよう促しています。検定試験は、授業内での学習に対して学生のモチベーションを維持・向上させ、同時に学生の到達度を統一的な基準で測るために役立てています。

 公式テキスト、「理解力アップシート」、検定試験を組み合わせることにより、自らの学習の成果を検定試験合格という形で実体験してもらえるので、その経験が2年次以降の学修の深化に結びついていくものと期待しています。

 本学部では初年次教育科目「基礎ゼミ」の一環として、毎年6月、1年生全員にN検3級を受検させています。ねらいは、大学に入学してすぐに、社会のさまざまな出来事に目を向ける習慣を身につけさせること。就職活動が近づいてから新聞を読み始めるのでは遅いと感じます。また、3級という級設定は、まずは3級に合格することで自信をつけ、次のステップにつなげてほしいという意図があります。

 本学では毎年11月にもキャリアセンターの主管でN検を実施していますので、1年生後期以降はこの11月の試験を利用して、さらに上位の級に挑戦することができます。学生諸君には、N検を通じて現在の日本社会・国際社会が直面するさまざまな問題に関する知識を身につけ、社会的関心を高めてほしいと思います。なぜなら、そのことが法学・政治学の学習意欲を喚起するとともに、キャリア意識の主体的な形成につながるからです。

 当学科は、エアラインをはじめとするホスピタリティー業界への就職を目指しています。

 一般的には、エアラインに就職するためには高い英語力が必要だと思われる方も多いかと思います。もちろん英語力も必要なのですが、それ以上に大切なのは時事をはじめとする一般常識です。なぜなら、航空業界は世界のできごとに密接に関係していますし、時事に関心が無ければお客様一人一人の背景も想像できないからです。

 当校は2年制の学校ですが、就職活動までの時間は実質一年弱。そのなかでさまざまな知識を身に付ける必要があるため、いかに効率よく学ぶかを重視しています。

 N検の教材は基礎的な事項と昨年のできごとが満遍なく掲載されているため、限られた時間の中でバランスよく知識を得ることができます。

 実際、入学当初は時事に苦手意識を持っていた学生が、検定合格を機に新聞購読が習慣になるなど、目に見えた効果が出ています。また、N検合格を機に、「新たな学び」に対して積極的になったのも効果の一つだと感じております。

 本学では、共通教育科目に属する講義科目、時事・現代用語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲにおいて、学生たちの講義への参加モチベーションを高めるために、N検を導入しました。

 時事問題の解説に留まっていた以前と比べN検実施後、学生の本科目試験答案等の質的向上が見られました。加えて、学習時間増加、新聞閲覧・読書の機会の増加という効果もあるということが分かりました。

 就職試験対策だけではなく、大学における基礎学力を身に付ける学習のきっかけとしても導入を勧めています。

 日本大学法学部新聞学科は、その名の通り、ジャーナリストを目ざす学生が中心の学科です。

 当然、普段からニュースに精通する必要があることはわかっていますし、そのために新聞等を精読する必要があることも理解しています。しかし、わかっているということと、実行するということは必ずしも繋がりません。実行に移すにはそれなりの動機付けが必要です。N検で2級を取る、あるいは1級を取る、という目標設定は、学生にとってとても良いペースメーカーになっています。

 本学科では、様々な視点から社会について考える学生を育てていますが、教養の土台を培うために、ニュースを知ることこそ、その導入といえるでしょう。

 動機づけとして、N検を活用していますが、合格者の「新聞を読む面白さがわかってきた」という声は、社会の問題をまず理解し、そこから思考の軸を作っていく上で役立っていることがわかります。ニュースを学びの窓口にできることは、将来のキャリアを学生が日々、意識的に広い視野の中に位置付けた自分らしい就職活動を進めることが期待できます。

 東洋大学経済学部では、初年次教育の一環として、入学から間もない6月に1年生全員にニュース検定準2級を受けてさせています。欠席者もそれほど多くなく、学生の力を共通の尺度で把握する1つの良い機会になっています。

 実施理由は、大学生活を開始した直後に、経済・社会全体で起こっている多様な時事問題に学生自身の気づきによって目を向けてほしいと考えているからです。N検の検定問題で繰り出される経済・社会の様々な事件に触れることで、自分のこれまでの立ち位置を認識でき、自分の知識を自らの手で広げようとする強い意欲と刺激が得られると考えています。

 N検準2級の後は、さらに興味を持った学生を秋学期に募って2級の講座を受講させ、仕上げに2級の検定を受けさせています。全体を通じて、受講者は一定の達成感をエンジョイしています。経済・社会の時事問題へ幅広く目を向ける感性を、学生がより早期に高めることを願っています。

時事問題の的確な理解が重要

 国立障害者リハビリテーションセンター学院では、手話通訳学科の学生には全員に、授業を通じてニュース検定の受検をするよう指導しています。ニュース検定のために特別に講義をしたり、試験対策の指導をしたりはしていませんが、学生達は日頃から社会の動きにアンテナを立てておくようにと伝えてあります。試験結果はその時点での客観的な実力がわかり、その後の学生の学習のモチベーションアップにつながります。

 手話に限らず、通訳者の養成につきものの苦労は、話し手の真意を理解することができなければ正確な通訳ができないという点にあります。通訳者は、自分が理解したことしか通訳できません。語彙だけでなく、幅広い知識や教養が必要なのです。日英通訳ではよく、「聖書とシェークスピアを勉強せよ」と言われますが、英語を母国語とする教養ある話し手はしばしば、こうした古典の素養を踏まえて暗喩を使ったスピーチをするからです。

 日本語を通訳する場合でも、話し手と聞き手の教養がどの程度かを理解しておくことは重要です。とりわけ、時事問題に関するエピソードを聴衆のつかみに利用する話し手の場合、その時事問題の内容と、どの部分に意味があったのかを理解できないと、十分な通訳が不可能になりかねません。

 その点、ニュース検定は、学習を通じて母語である日本語の知識が増します。また、年2回の受検を経て着実にステップアップすることを目標に、学生たちの継続的な学習が可能になります。

 ニュース検定を学生全員に受検させることは、「競わせる」ためではなく、全体を底上げする雰囲気作りに役立ちます。試験後は客観的に点数が示されるので、教官が評価するよりも、本人たちに影響力があります。その結果、個々人のレベルに見合った「もっと勉強しよう」と言う動機付けにつながり、幅広い知識の習得を目指してくれます。

 学院に在籍する2年間で、ニュース検定を効率的に学習し、良い通訳士となってくれればと願っております。

N検が、新聞記事に親しむ習慣づくりを促す

 私が所属する文芸学部マスコミュニケーション学科は、現代社会を対象にした研究・教育を行っており、学生たちの関心も広い。そのなかで、現代社会の共通の問題を認識してもらうために、私の授業(ジャーナリズム論、マスコミ講義)の受講生には、受検を義務づけている。

 学生たちの多くは、入学時、新聞を読む習慣はもっていない。だが、新聞を「読まなければならないもの」とは認識しており、背中を押してさえあげれば、毎日、記事に親しむようになる。ニュース検定は、そのための大きなきっかけである。授業で顔見知りの学生が図書館で、各紙を読み比べているのを見たりもすると、たいへんうれしく感じる。

 大まかにいって1年生には4級に挑戦させる。少し簡単すぎるのか、ほとんどの学生が合格する。落ちた学生は、発奮材料にしてもらい、受かった学生は自信をつけて上の級に挑戦するようになる。目標は、3年生までの2級取得である。「就職試験の役に立った」と言ってくれる学生が多いが、卒業論文制作などに、現代社会の知識が役立つことも言うまでもない。

他学部や付属高校からも受検者を募り、団体受検を学内で実施

 むろん、受検するのは、私の授業やゼミの受講生だけに限らない。キャリア支援部を通じて、全学に受検を呼びかけるため、法学部、経済学部、社会イノベーション学部と学内すべての学部、学年の受検者がいる。

 特徴的なのは、付属校である成城学園高校の生徒も一緒に受検することだ。同校は同じ敷地にあり、同校地歴公民科の協力を得て、受検者を募る。高校生は、早くからニュース検定に挑戦しているので、大学入学時に3級、あるいは2級を取得してしまったという生徒もいる。

 ともかく、ニュース検定が、学生生徒に、現代社会を覗くための扉となっていることは、大学教育に携わっているものとして大変ありがたい。

政策学各論のテキストに採用

 法学部の2、3年生を主な対象とする「政策学各論」の授業で、ニュース検定の公式テキスト発展編を使っています。政策学は、政策のプロセスやメカニズムを明らかにする総論と、分野ごとの政策の内容を学ぶ各論がありますが、従来、各論の授業では、各省庁がとりまとめる白書を扱ってきました。

 ニュース検定の公式テキストを使うことにしたのは、最新の時事問題に対応していることはもとより、政治行政から財政金融、国際関係、社会保障、地球環境にいたるまで、政策課題を幅広く網羅していること、グラフが豊富、解説も丁寧で、教材としてもよく工夫されているからです。

 授業の前半では、テキストに沿って講義を行っています。同じ講義の中で様々な分野を横断的に取り上げることで、例えば 「ヘッジファンド」「原油高」「バイオ燃料」「食料難」「原発」「核開発」といった一見無関係に思える問題をそれぞれ有機的に関連づけて立体的に理解させることができました。

 また、授業の後半では、新聞各紙の社説を読み比べ、議論をさせています。学生たちは、公式テキストの学習を通じて、新聞にも目を通す習慣が付き、広く社会の動きにも関心を持ち始めたようです。

成績評価に検定試験を活用

 大学2、3年生というのは、中だるみの時期ともいえます。そういう時期には、具体的な目標を与えることで、勉学の意欲がわくものです。

 そこで、授業ではニュース検定を中間試験と位置づけています。期末試験とニュース検定(2級、準2級)の良い方の点数で成績を評価することにしました。受検はあくまで任意ですが、学生たちには大きなインセンティブとなっています。

 結果として、6月の団体受検では毎年、多くの学生が2級に挑戦し、合格率・平均点ともに大学生平均を上回る優秀な成績を収めています。大学入学時には勉強が苦手だった学生も、2級合格に自信をつけ、国家公務員試験に見事合格を果たしています。

 ニュース検定には、有望な資格の一つとして大いに期待しています。今後は、細かな知識を問うよりも理解の深さを試すような問題を増やし、真の実力を測る検定としてさらに充実して欲しいと思います。

新聞を「読まない」のではなく「よめない」

 2007年度の後期より、「メディアとビジネス」という授業にて、団体受検を実施しています。

 今から5~6年ほど前の私は、「今の若い人は、ただ単に『新聞を読まない』のではなく、『新聞が読めない』ようになっているのだ」と感じていました。そこで、2005年度開講の科目として、新聞を読みこなす学生を育てることを目的とする「メディアとビジネス」を新設し、私が担当することになりました。受講生は平均150名ほどで、前期後期とも同一科目を開講し、2007年度後期で第6期目となります。

 2005年度と2006年度は、ゲスト講師として新聞社の方をほぼ毎回お迎えし、講義して頂くことが中心でした。手応えがあった反面、学期途中の授業で学習意欲の頭打ち傾向も見えました。

 ニュース検定を団体受検することによって、新聞を読みたくなるための啓蒙授業を聞き実際どれくらいニュースや時事問題をキャッチできるようになったのかを、客観的に測定できるようになりました。学生の「資格指向」ともマッチしているようです。検定を受けた後の学生の感想の多くは「もっと新聞を読まないといけないと思った」というものです。

成績評価にニュース検定を活用

 2007年度より、「成績評価の大きな部分をこの検定受検による」という趣旨をシラバスに記しました。授業で良い成績がほしい学生は、検定に向けて勉強します。検定のホームページを授業で紹介していますので、意欲的な学生はテキストを購入して勉強していました。

 第1回ニュース検定で2級合格者が出るなど、意欲的な学生をさらに伸ばす効果が現れていると思います。今後は、本学のキャリア教育全般との連携を深めながら、ニュース検定合格者を顕彰する方法を模索したいと考えています。山梨学院大学の卒業生のほとんどがニュース検定の合格者となればと夢見ています。